
2019年4月1日に韓国でカムバしたIZONEの2nd mini ALBUM『HEARTIZ』のタイトル曲『Violeta』。
光が生み出す世界観がメンバーの個性と関係性を表現していて、今回はかなり神秘的でファンタジーの世界にいるようなMVになっています。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
『HEART*IZ』のコンセプト考察の内容に結びつけながら考察していきたいと思います。
6ヶ月ぶりに帰ってきた12人の更に磨きのかかった魅力あふれるMVです。
HEART*IZ キノアルバム Violeta+Sapphire ver.セット&24Photocards【追加特典】追加特典両面フォトカードセット) ¥4,580 Amazon.co.jp
**もくじ**
*チェウォンちゃん/ミンジュちゃん/カンちゃん
三角中のクリスタルとプリズムの光**
【0:10】冒頭のカットで一瞬だけステージの全体像が見えるカットがあります。
三角柱の形のステージの中でパステルカラーの衣装で踊っています。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:26】【0:31】『HEART*IZ』のコンセプト考察ご紹介していた『プリズム(光の屈折現象)』により生み出される『虹』についてご紹介しましたが、このステージの形をみると、メンバーが三角柱のクリスタルの中に集まる光のように想えます。
関連記事はこちらから↓↓
太陽の光はプリズムをとおして虹色を生み出します。
まさにIZ*ONEは、12人がそれぞれの色の光となって輝いているのです。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:30】そして、今回のMVでのキーパーソンであるチェウォンちゃんがこのプリズムを操っています。
チェウォンちゃんのメンバーカラーは公式で発表されたように『ミント』です。
そしてこのMVの中には、ミント色がいたるところに登場します。
赤いはずの炎がミント色、色がないはずの水や空気までもミント色になっているなど、自然界には存在しませんよね。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:27】色の判断というのは、目に入ってくる光を脳が認識しています。
【1:57】つまり、チェウォンちゃんはプリズムを使いこの世界の色を自由に操っているのです。
白い光とプリズム**

【1:26】ミンジュちゃんは『Violeta』のラップパートで
神秘的なあなたの色彩を詰め込んで
あなたを照らしてあげる
私の姿に似ている
誰よりも輝けるように
あなたと私 一緒に可能にしていく
というフレーズを歌っています。
神秘的な色彩を詰め込むとは、MVに登場する様々な物語の放つ光。
光の三原色と言われる赤・青・緑は組み合わせにより無限の色彩を生み出すことが出来ます。
太陽の光が生み出す七色の虹。コンセプト考察でご紹介した『アイリスの花』の伝説の『虹の女神イリス』に結びつきます。
関連記事はこちらから↓↓
ミンジュちゃんはMVの中で、虹の架け橋のようにメンバーに光を届ける役割を果たしています。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:51】しかし、白は色で見ると『無彩色』です。
MVで登場する上半分だけ白く塗られた壁や、白い木に咲いた白い花は、光の集合体である白であると同時に『無彩色』でもあります。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:39】【2:59】ミンジュちゃんの切なげなカットは、自分には他のメンバーと違って彩(いろどり)がなく、魅力がないと思っている自信のなさが表現されています。
しかし、『HEART*IZ』でミンジュちゃんは作詞に挑戦して、ギターの弾き語りもして、ラップパートも担当しています。
『白い色』をメンバーカラーに持つミンジュちゃんには、虹色の光の集合体であるように様々な魅力が詰まっているのです。
【3:08】それを教えてくれる存在が、MVの世界の色を操るチェウォンちゃんです。
チェウォンちゃんは白い光をプリズムを使って操ることで、『白い色』のもつ光がこんなにも美しい色彩を生み出すことを教えてくれています。
【0:27】チェウォンちゃんの歌のパートに
私を見るあなたの眼差しと
私を照らす色彩が
全てを止めるように
あなたをもっと輝かせる
というフレーズがあります。
チェウォンちゃんのプリズムを通してミンジュちゃんの白い光を見た時、その色彩の美しさに時間が止まる。
チェウォンちゃんは『ミント色』を使ってMVに色彩の魔法をかけて、それぞれのメンバーの魅力を引き出しています。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【3:11】ミンジュちゃんは力強い眼差しに変わり、見る人の時間を止めてしまうほどの美しさを放っています。
閉ざされた部屋に差し込む光**
【1:18】カンちゃんはラップパートで
あなたは私を信じてくれない
早く私にもっと
あなたの心を開いてくれない
と歌っています。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【1:19】このMVでカンちゃんは『イス(ソファ)のある個室』にいます。
『La Vie en Rose』のMVの中での『空席のイス』は“ランクインメンバーの座るイス”を表していました。
関連記事はこちらから↓↓
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:04】イスに座っているのにどこか切ない印象を与えます。
心を開いてくれずに閉鎖された空間に、カンちゃんはいるのでしょう。
“ここにいていいのか”という不安と、自ら壁を作ってしまった空間。
【1:21】【2:53】そこに差し込む光と、美しい影。
光があるから影が生まれるように、光と影のコントラストが美しく、また影の色はスミレ色の紫色で表現されています。
このMVでは影さえも美しく表現してあります。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【1:25】もしも、心に暗い感情を抱いている人がいたとして、ただただ明るく声をかけて笑いかけても、きっとそれは眩しいだけで、より一層自分の影が濃くなってしまう気がします。
【2:19】ですが、そっと影のように寄り添って、自分と同じ目線で声をかけてくれたら、目を細めずにその眼差しを受け止めることができるかもしれません。
明るく笑顔なだけがアイドルではなく、同じ目線で同じ感性で、等身大の姿でファンと寄り添いたいというメッセージを、カンちゃんのカットでは伝えているように感じます。
カンちゃんはこのMVで、IZ*ONEのメンバーが『救いたい人』を表現しています。
それと共に、カンちゃんは『救いたい人』と同じ目線で、同じ世界に居てくれる存在であることを示しています。
そして、ミンジュちゃんはカンちゃんの閉鎖された部屋の入り口を探すように廊下を歩いています。
あの遠くに消えたその光に従い私は
あなたにもっと近づいていく
あるがままに
今感じるそのままに
私にあなたを見せて
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:53】 あなたと一緒に輝きたいという思いと、心に正直にありのままの姿を受け止めるよという“優しい想い”が届き、光の差し込む方へ歩みだします。
『Violeta』の歌詞には『“あなた”がいればどんなことだって乗り越えていける』というメッセージが込められています。
*チェヨンちゃん/咲良ちゃん/ウォニョンちゃん
人魚姫・ツバメ・虹の女神イリスの空の世界**
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:34】このMVでチェヨンちゃんは大空を想わせる空間にいます。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:38】【1:38】カーテンが風を感じさせ、ツバメを連想させる姿はまるで羽が生えているようです。
羽の生えていた虹の女神イリスは、空に虹の橋をかけながら神と人とのメッセンジャーの役割を果していました。
そして人魚姫は泡となり空へとのぼって、空の妖精となり花の香りを運び人々に心地よい風をおくり、子どもたちに喜びを与え、
微笑みかけながら空を巡っています。
まさにこれらすべての象徴がチェヨンちゃんなのですね。
この後の考察でも、風や空気の中に存在していくメンバーです。
鏡の部屋の向こう側**
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:42】このMVで咲良ちゃんは鏡の部屋にいます。
『La Vie en Rose』MVの考察でご紹介した『鏡に映ったバラ』のカットと、今回の鏡の部屋の構図が非常に良く似ています。
『La Vie en Rose』MVでバラは咲良ちゃんの心情を表していました。
関連記事はこちらから↓↓
今回の『Violeta』MVでも、鏡の中の本物・真実を見つけ出そうとしているのだと思います。
この部屋の床には、ダイヤモンドに模したクリスタルと水晶のような丸い球体、そしてシャンデリアがあります。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【1:11】鏡の前でクリスタルの中の何かを探すようなカットの後に、すぐチェウォンちゃんの持っていたプリズム(三角柱のクリスタル)が映ります。
このMVで光を操っているのはチェウォンちゃんだとお伝えした通り、
咲良ちゃんのいる鏡の部屋には『光(自ら光り輝ける存在』が存在せず、クリスタルの中を覗き込んでいるのは、シャンデリア(電球)のように人工的に生み出された『光』ではなく、未だかつて見たことのない『光』を探しているのです。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【1:17】咲良ちゃんの左手の高価なブレスレットが強調されたカットが入ります。
その表情は悲しげで、いくら高価な物を手に入れて高価なものに囲まれていても心ひかれず、満たされないままなのです。
【2:06】ほんの一瞬だけチェウォンちゃんと咲良ちゃんが重なるカットが入ります。
そして咲良ちゃんは歌の歌唱パートで右側の鏡にむかって
『あなたは私のVioleta』
と歌います。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:22】他のカットでも右側の鏡に切なそうに触れるカットなど鏡の向こう側を見ようとしているように見えます。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【1:56】チェウォンちゃんのいる空間には左側に鏡が存在しています。
鏡は光を全反射してしまうので、チェウォンが操っている『12人のメンバーが生み出す光』が咲良ちゃんのいる左側の鏡の向こう側には届きません。
咲良ちゃんが欲しているのは高価な宝石でも美しい物質でもなく、『光(自ら光り輝ける存在)』なのです。
お花畑に咲く可憐な花**
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:11】このMVでウォニョンちゃんは優しい光が降り注ぐお花畑にいます。
まさに『Violeta(スミレ)』そのものです。
スミレの花言葉の『小さな幸せ』『愛』が浮かんできますね。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【1:09】純粋・無垢で美しい存在。太陽の光をあびて微笑む姿は、『HEART*IZ』のコンセプト考察でご紹介したスミレの伝説の『太陽神アポロンが恋に落ちたイア』を連想させますね。
関連記事はこちらから↓↓
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【1:10】空に手をかざしている姿。そして風に運ばれてきた花びら。
空の妖精となった人魚姫は風により花の香りを届けます。
スミレの花は香水に使われたり、『ニオイスミレ』と名付けられるほど香りの良い花です。
ギリシャ神話などに登場するスミレは、このニオイスミレだと考えられています。
ニオイスミレは『Viora odorata』。
今回のタイトルが英語の『Violet』ではなく、語尾に『ta』がつくスペイン語で『Violeta』になった理由は、もしかしたらスミレの中でもこの『Viora odorata(ニオイスミレ)』であることを示唆していたのかもしれませんね。
そして、『Violeta』の歌詞の中に
“瞳を閉じても感じられる香り”
“美しく広がるあなたの香りで満たされる”
とあるように、MVの中で感じる風は花びらとともに花の香りも運んでいることがわかります。
同じ夢を見る**
【2:15】ミント色の花びらが落ちてくるシーンが映ります。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:16】次の瞬間ミント色のスパンコールに変わっています
【2:17】咲良ちゃんのいる鏡の部屋に美しいミント色のスパンコールが降ってきますが、興味を示さず目を開けることもなく眠り続けています。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:21】お花畑でウォニョンちゃんが眠っているシーンが映ります。
【2:23】落ちる宝石はウォニョンちゃんが深い眠りに落ちたことと、鏡の部屋に何かが訪れたことを表しています。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:25】鏡の部屋にウォニョンちゃんがいたお花畑が現れます。
眠っていた咲良ちゃんが空を見上げ、花の香りに包まれています。
『Violeta』の歌詞の中に
“ある瞬間私に静かに染み込んで
同じ夢を見るようになるはずだから”
とあるように、ウォニョンが見ている夢と咲良ちゃんが見ている夢が繋がったことがわかりますね。
そして注目して欲しいのは、この時舞い落ちる花びらが『桜の花びら』であることです。
ミント色の花びらとは明らかに大きさも形も違います。
ウォニョンちゃんが【1:10】で手を伸ばして触れようとしていたのは『桜の花びら』だったのです。
夢の中で『さくら』と名前を呼ばれて目を覚ましたのだとしたら、ウォニョンちゃんが手を伸ばした先に『桜の木』があったとしたら、とても素敵ですね。
メッセンジャー**
人工的に作られた物質しかなかった鏡の部屋に、突如現れた自然が生み出したお花畑。
それを花の香りと共に桜の花びらを届けた存在。
メッセンジャーとしてでご紹介した、3つの存在の象徴であるチェヨンちゃんです。
『La Vie en Rose』MVでは、メンバーに情熱を与えていく存在だったチェヨンちゃんが、『Violeta』MVではメンバー同士の繋がりを生み出す存在になっています。
咲良ちゃんが求めていた『光』とは、自分が大切に想う相手であり、誰かから与えられる愛であり、自分の心の中にある『愛』です。
咲良ちゃんの心の中を表すような鏡の部屋に、ウォニョンちゃんの『小さな幸せ』『愛』を届けられたのは、『La Vie en Rose』MVでも深い関係性が表現されていた、チェヨンちゃんであることが嬉しいですね。
センターのウォニョンちゃんが、咲良ちゃんのことを大切に思っている気持ちも込められているとしたら、咲良ちゃんが心を開いて2人で同じ夢をみているとしたら、とても素敵なMVだと思います。
*イェナちゃん/ユリちゃん
白い木の白い花**
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【1:05】ダンスシーンはコンセプト“塗り絵”に登場していた、テーブルの上に花瓶や宝石箱が置いてあった部屋の隣にあった、“ソファー”が置いてある『隣の部屋』の壁と同じ模様が入っています。
MVで実際の色がついてみると、下半分は“木目調”の壁で、上半分は“白塗り”の壁になっています。
木が白く塗られていることがわかりますね。
そして、この部屋は重力を感じないような不思議な空間になっていて、“シャンデリア”がちょうど真ん中になるように浮いていたり地面においてあったりしています。
まるで時空が歪んでいる、アリスが穴に落ちていく時みたいですね。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:48】この部屋と同じ背景に白い木に白い花が咲いているカットが入ります。
イェナちゃんはこの白い木の花を心配そうに見つめています。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:50】イェナちゃんの洋服の柄がはっきりと見えて、大きな花柄であることを確認します。
【0:56】花びらの1枚を握りしめるカットが入ります。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:58】握っていたはずの花びらが、ミント色の花に変化します。
このカットをよく見ると“花柄”の服を着たメンバーの手だとわかります。
先ほど確認したイェナちゃんです。
イェナちゃんはこのMVで、春を届け花を咲かせる役割を持つのでしょう。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:54】次にユリちゃんのカットを見ると、一瞬だけ“緑色の葉”が見えます。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:14】座っているシーンでは、イェナちゃんのカットで登場した木の影がうつっています。
まるでユリちゃんの陰が木の形になっているように見える位置になっています。
このMVでユリちゃんは『色を失った白い木』の妖精の役割なのでしょう。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
コップには色のついた水が入っていますが、自ら枯れることを、色を失うことを望んでいるかのように手をつけずに、木に咲いた花は色を持たない“白い花”になってしまっています。
そして、木の幹さえも色を失い白くなってしまっています。
この2人の関係を歌詞と照らし合わせてみていきます。
いつだってあなたを待つから
いつも私はそばにいるから
あなたに向かう光でもっと
ひたすらあなたの為の私だから
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:40】この歌のフレーズと共にユリちゃんがミント色の水を飲みます。
【2:48】散っていた花びらが時間が巻き戻るかのように、重力に逆らって上に舞い上がっていきます。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:51】白い木にユリちゃんが飲んだミント色の水と同じ色の花が咲きます。
【2:51】花開いた瞬間、ほぼ同時にイェナちゃんがまるでその花を掴むかのようなカットが入ります。
やっと自分に心を開いてくれた瞬間を逃さないように、のばされた手を掴むように、ずっとそばで見守り続けたイェナちゃんが報われた瞬間なのかもしれません。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:55】イスに腰掛けて花が咲いていくのをじっと見守っています。
ひたすらあなたの為に咲いた花は、魔法のように美しい“愛の花”です。
2人の女神の物語**
ギリシャ神話では愛と美の女神のことを“アフロディーテ”と呼びます。
ローマ神話では日本でも聞き馴染みのある“ヴィーナス” と呼ばれていて、有名な絵画『ヴィーナス誕生(La Nascita di Venere)』では、海の泡から誕生する姿が描かれています。
この時、大地の神が同じように愛と美の象徴として生み出したのが『バラの花』だと言われています。
『ヴィーナス誕生(La Nascita di Venere)』にも“白いバラ”が描かれており、これが最初のバラの品種である“アルバ・ローズ”であり、現代では『アルバ・セミプレナ』が原型に近いバラとなります。
この花がイェナちゃんが手のひらで咲かせたミント色の花とよく似ています。
そして『ヴィーナス誕生(La Nascita di Venere)』には2人の女神が描かれています。
花柄のドレスを着た『時間と季節の女神ホーラ』と“白いバラ”を運んできた『花と愛の女神フローラ』です。
フローラは女神になる前は『クロリス』という妖精でした。
今回のMVでは、花柄の服を着たイェナちゃんが季節を巡らせる為に、春を届けにきた『時間と季節の女神ホーラ』で、枯れかけていた木の妖精のユリちゃんの心を開かせて、『時を操る力』を使って蘇らせた。
そして、妖精だったユリちゃんが『花と愛の女神フローラ』になったという美しい物語になりますね。
MVの花はポピーかツバキのようにも見えますが、現代に『アルバ・ローズ』はもう存在していないので、形状を似せているとしたら『愛が誕生する物語』と結びつき、イェナちゃんとユリちゃんの素敵な物語が生まれそうです。
*ウンビちゃん/ユジンちゃん
月夜に恋する人魚姫**
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:48】このMVでウンビちゃんは水面に座っています。
【1:43】水面には波紋が広がり夜の海を思わせます。
【2:21】月明りが照らす美しさと、恋煩いを想わせる一輪の花。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:03】水面を優しく触れている姿はまるで、人間になった人魚姫が海を愛おしく想っている姿のようです。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:19】後半になると、花はミント色の不思議な炎に包まれていて、
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:41】その後のカットで水の中に落ちてしまいます。
その時、水中にもこのミント色が広がっていきます。
自らが生み出した恋の炎に身を焦がした人魚姫が海へ戻っていく姿を連想できますね。
【iPhoneの設定】
ミント色の花と色の魔法**
チェウォンちゃんが、MVの世界の色を操っているとご紹介しましたが、このイェナちゃんとユリちゃんのカットで登場する『ミント色の花びら』と『ミント色の飲み物』を『色を反転』させてみると、『淡いピンク色』になります。
【iPhoneの方は、設定の一般→アクシビリティ→ディスプレイ調整→色を反転(クラシック)で見ることができます】
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
『色を反転』させて見ると、『燃えていた花』の火が赤い色になり、茎の部分がちゃんと『黄緑色』の通常の色になります。
このMVでは『本来赤いものがミント色になっていた』ということになります。
ユリちゃんのシーンで舞っている花びらも咲いた花も『淡いピンク色』の花であることがわかります。
コンセプト考察でご紹介した『ナイチンゲールと薔薇』や、ギリシャ神話を含む多くの物語では、白い薔薇が愛によって生まれた赤い血によって赤い薔薇になります。
また、バラは『沈黙』も表すことから、ユリちゃんがイェナちゃんの呼びかけに応えず沈黙している状態を表す為の『白い木の白いバラ』だったと考えられます。
そして、愛の力によって白かったバラが薄いピンク色に色づき、スミレの花言葉にある『真実の愛』を示す赤いバラへと変わっていくのかもしれません。
心の葛藤と心に届く光**
【1:52】【2:18】このMVでユジンちゃんは『それぞれのメンバーの心の葛藤』をダンスで表現しています。
ウンビちゃんの考察でご紹介した『人魚姫』は陸に上がるために『足』を手に入れました。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:01】【2:48】水面で激しく足を蹴り上げるダンスは『陸に上がった人魚姫の心の葛藤』を表すようです。
【2:41】水面に花が落ちていくシーンを『色を反転』してみると、水の中に広がったミント色が真っ赤に変わりなんとも衝撃的なシーンに変わります。
王子様の命を奪うことが出来ずに、海に飛び込んで命が燃え尽きてしまった人魚姫の、燃えるような“恋”を表すかのようです。
【2:35】そして、イェナちゃんとユリちゃんの物語においての心の葛藤を表すかのように、ユジンちゃんのダンスシーンが入っています。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
このユジンちゃんのカットを『色を反転』してみると、背景のミント色が真っ赤になり、激しい心の葛藤を表しているかのように見えます。
【2:46】そして、物語に希望の光が差し込んできたように、前半では逆光でシルエットしか見えなかったユジンちゃんの姿が見えるようになります。
ユジンちゃんはMVの中で、心の葛藤と心に差し込む希望の光を見事に表現しています。
色彩とメンバーの繋がり**
『Violeta』がタイトル曲なのに『HEART*IZ』のロゴがミント色なのは、色を反転すると『スミレの濃い紫色になる』という繋がりから、紫色を最も美しく際立たせることが出来る色がミント色であったということになりますね。
実はこの関係性は、メンバーカラーがミント色のチェウォンちゃんと、紫色(パープル)がメンバーカラーのウンビちゃんの関係性にも当てはまっていて、お互いがお互いの魅力を引き出せる関係性なのです。
同じ事務所ウリムの練習生だった頃から、IZ*ONEになってもメンバーカラーでも支えあっている関係って素敵ですね。
同じように、MVの中のブルーミント色が薄いピンク色になるのは、チェヨンちゃんのメンバーカラーのブルーミント色と、咲良ちゃんのメンバーカラーの薄いピンク色と重なるのも、よく出来た構成になっているなと関心しております。
『色を反転』させて見るとウォニョンちゃんが居た花畑は紫とミント色になります。
まさにスミレ色の花畑ということですね。
チェヨンちゃんのカットのミント色の霧は、『人魚姫』に出てきた『薔薇色の雲』になり物語との繋がりが見えてきます。
色彩を使ったマジックによって、幻想的な神秘的な世界が作り出されているMVです。
メンバーの繋がりがしっかり表現されているのも、メンバーのことをよく知っているWIZ*ONEにしかわからない秘密のメッセージかもしれませんね。
*奈子ちゃん/仁美ちゃん
アンデルセンとスミレ**

関連記事はこちらから↓↓
そして、最後にご紹介したかったのが『アンデルセンの詩集』にある『3月スミレ(ニオイスミレ)』です。
シューマン・ロベルトの5つのリート40 第1曲『3月スミレ(ニオイスミレ)』では、“恋に落ちる瞬間”を表現しています。
空は丸く 澄み切って真っ青だ
霜が花となって姿を見せている
窓がきらきら光る花びらで飾られているのだ
ひとりの若者がその前に立ち 中を覗き込む
霜の花の向こうに、なおも咲いている
青い、微笑むふたつの瞳
3月スミレだ、それはだれもまだ見たことのないような
霜は、息を吹きかければ融けてゆくだろう
氷の花は融け始めた
神様、この若者に恵みを授けたまえ
【0:31】こうしてみると、窓際でカーテンから差し込む光の影は花の模様になっていて、目元にはスミレの絵が描かれています。
【0:34】なこちゃんはカーテンが風にゆれる窓際にいて、花柄のカーテンの向こう側にいます。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【0:58】カーテンの花の模様となこちゃんの瞳が重なるカットが一瞬入ります。
『三月スミレ(ニオイスミレ)』の情景と重なりますね。
【2:59】一瞬だけ映るのは、なこちゃんの大きな2つの瞳。
一瞬にも関わらずその存在感とまなざしは目に焼き付き印象に強く残ります。
歌詞には『あなたは私のVIOLETA(スミレ)』とありますが、これは『あなたは私の愛する人』という意味です。
奈子ちゃんは、一瞬で恋に落ちてしまう眼差しを持った『スミレ(愛する人)』なのです。
アクアマリンとスミレ**
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【1:07】仁美ちゃんの最初のカットでは背景は綺麗な空の色の水色で、氷の結晶が煌めいているようにも見えます。
あなたに似ている空に
隠してきた気持ちを
待っていた瞬間を
いつも見つめてきた空に込めて
『Violeta』のこの部分の歌詞と、『3月スミレ(ニオイスミレ)』の最初の3行に込められた情景が、仁美ちゃんのカットに込められているように感じます。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【1:38】次のカットでは背景はスミレ色の紫に変わっていて、シャンデリアの光がキラキラと輝き、こちらに微笑みかけています。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【1:41】仁美ちゃんはシャンデリアやクリスタルの中に、咲良ちゃんと同じ『光』を見いだしています。
《引用元》IZ*ONE『Violeta』MV
【2:03】そして、自分自身もその光を放つ、光り輝ける存在であることを反射する光が伝えています。
この空の色は、まるで宝石のアクアマリンのようですね。
アクアマリンは3月の誕生石です。宝石言葉は、『幸福・富・聡明』です。
アクアマリンはラテン語で『海の水』という意味です。
そして『恋をした人魚が流した涙が宝石になった』という伝説があります。
concept trailerの最後に落ちてきた宝石は『アクアマリン』だったようですね。
宝石が落ちて氷のように割れて、スミレの花が咲くのは
『3月スミレ』に結びつけるヒントだったのかもしれません。
物語の中の恋**

アンデルセンの物語の恋は“魂が燃えるような恋”です。
“恋”とは砂糖菓子のように甘いものではなく、時には痛みを伴い心に悲しみや苦しみを与えます。
しかし、それと同時に心に喜びやかけがえのない幸福を与えるのもまた“恋”なのです。
MVの中に表現されている物語には、どれも最後に『希望の光』が差し込みます。
あなたは私の世界
あなたは私の光
私の心 “VIOLETA”
『Violeta』はこのフレーズで曲が終わります。
MVの中でメンバーは『自ら輝ける光』だとご紹介しましたが、まさにこのMVは、『この曲を聴く“あなた”の希望の光になりたい』『あなたの為にただひたすらに咲くスミレ(愛する人)でありたい』というメッセージが込められています。
この曲が、時代を超えて愛されるアンデルセンの物語のように、いつまでも愛される曲になることを願っています。
アンデルセンの物語からは『心』に芽生えるあらゆる感情が伝わってきて、それが時代をこえて人々の『心』を惹き付けるのでしょう。
IZ*ONEの魅力は見た目やパフォーマンスだけではないと思っているので、いろんな物語を通して彼女たちの“輝きの理由”を知って欲しいと思います。
MVに一瞬しか映っていなかったとしても、その輝きからは目が離せません♪
12人が一人一人違う色で輝き、12人が一つになる時に一番輝くのがIZ*ONEです✩︎⡱
**IZ*ONEからのメッセージ**
空に輝く太陽の光
風とともに感じる花の香り
どこまでも届く光と風が運ぶメッセージ
『あなたがどこにいても
IZ*ONEが光や風のように
いつでもあなたのそばにいる』
IZ*ONEの『Violeta』のMVは
WIZ*ONEの“心”に寄り添い
背中を押してくれるようなMVです。
↑↑【早期購入特典あり】IZ*ONE 2nd mini ALBUM HEART*IZ(ジャケットランダム)韓国ショップ限定(初回限定特典6点)¥3,580 Amazon.co.jp
**mint**
12人のメンバー1人1人を考察してきましたが、『La Vie en Rose』のMVよりもいろんなストーリーが見えてきました✩︎⡱
3分程度の限られた時間の中で、0.1秒も無駄なカットは存在しません。
それぞれのカットに意味があって、それを表現するのがメンバーの表情だったり動きであったり、世界観というのはそこにある全てのものが生み出し、“心”が受け取るものです。
『Violeta』のMVからどんな世界が見えてくるのか是非みてみてください。
あなたの心に美しい世界が広がりますように༚˚·° ஐ。✼︎
話は先になりますが『鏡の国のアリス』『不思議の国のアリス』『子供部屋のアリス』の要素が取り入れられる作品が、いつかIZ*ONEから生まれるのではないかと期待が高まるMVなので、少しだけ『アリス』の要素を紹介に加えてみました。
今後のIZ*ONEの活動を予想しながら『Violeta』のMVを見て見るのも面白いですよ✩︎⡱
この記事を読んでくださりありがとうございました♡
《関連記事》
《引用元》@official_izone