
韓国デビュー1st mini ALBUMのタイトル曲『La Vie en Rose』と日本デビューシングルタイトル曲『好きと言わせたい』、そして今回の2nd mini ALBUMのタイトル曲『Violeta』。
この3曲を比較して『K-POP』と『J-POP』の違いを絶妙なバランスで取り入れている『IZ*ONE』の魅力についてまとめていきます。
また、WIZ*ONEとして半年間の活動を見てきて、韓国での活動と日本での活動についての個人的見解をご紹介したいと思います。
**もくじ**
K-POPが世界で受け入れられる理由**
半年前までまったくと言っていいほど『K-POP』を聴いてこなかったので、『K-POP』が世界的に人気がある理由もわかりませんでした。
しかし、PRODUCE48で韓国語の楽曲やIZ*ONEの楽曲を聴いたり、メンバーが話す『韓国語』を聴いて納得しました。
- 韓国語の発音は『英語の発音』と近い発声の仕方をしている
- 韓国語の発音・発声を最大限に活かしながら、独自の音楽を生み出そうとしている
- 楽曲を『言葉』ではなく、メロディーとダンスパフォーマンスで最大限に表現している
この3つが世界でK-POPが受け入れられる理由だと思います。
韓国語の発音と日本語の発音
日本でも歌詞に『英語』を使用した楽曲はありますが、日本語の発音や発声を専門的に学んでいる身としては、日本語の持つ『音の種類』が他の外国語と比べて少なすぎるのと、発声方法がそもそも違いすぎて、日本語の美しい発音を知れば知るほど英語のネイティブな発音からは遠ざかってしまうと感じています。
日本語の文章を美しく読むためには『がぎぐげご』や『ぎゃぎゅぎょ』の発音をやわらげる『鼻濁音』という発声を用います。
合唱においても『鼻濁音』で歌うことが美しいとされています。
その為にPRODUCE48に参加した日本人メンバーが『鼻にかかったような歌い方』と指摘されたのではないかと思います。
日本語というのは『全ての音を美しく発声すること』が前提としてあるので、日本のアクセントは『頭高・中高・尾高・平板』の4種類しかありません。
単語ごとに『アクセント』が存在する多くの外国語との大きな違いです。
この為、PRODUCE48の日本人練習生で英語や韓国語に『カタカナ』で“読み方”を記入していたメンバーが、発音に苦戦することになっていました。
カタカナに置き換えた時点で、日本語の『全ての音を美しく発声する』習慣がついているので、『アクセント』が失われて“伝わらない”言葉になってしまうのです。
特に、『韓国語』には英語にはない独特なアクセントと発声が存在します。
こればかりは耳で聞いて自分の口から発声して覚えこむしかないと思います。
IZ*ONEメンバーが日頃から韓国語を日本語で何と言うのか教え合っている時には、必ず日本人メンバーは『自分でも発声して言葉にして』韓国人メンバーに『発音が合っているのか』確認している姿が多く見られます。
実はこれが日本人が語学を習得する為に一番と言っていいほど重要なことなのです。
『日本語にはない』発音を耳で聞き取れるようにして、その発音を自分の口に覚えこませることが1番の近道なのです。
その点、韓国語と英語の発音は日本語と英語に比べてそうかけ離れたものではありません。
韓国語の歌の中に英語のフレーズが入ってきても、自然と馴染んで聞こえます。
これが日本の楽曲だと明らかに日本語パートと英語パートの違いがはっきりとわかってしまいます。
韓国語の発音と一体化した音楽
日本の楽曲の多くは、メロディーに歌詞をのせていくのが一般的だと思いますが、韓国の楽曲ではアクセントや『ッ』が入る単語に適した音の運びをしています。
日本語で言う『ッ』が入っているので音符にすると休符にあたりますが、この『ッ(休符)』が日本語の楽曲より多く使用されています。
また、語尾の処理の仕方が韓国語を話している時の独特なイントネーションを思わせます。
これは『韓国語の発音・発声』にあわせた音の運びをしていて、それが日本の楽曲にはない新しい音楽に感じる理由ではないかと思います。
韓国での音楽活動は、韓国の国自体が推進しているだけあって韓国から世界に通じる新しい音楽を生み出そうとしています。
作詞家と作曲家が連携して、韓国語だからこそ生み出せる独自の音を作り出しているからこそ『K-POP』が1つの音楽のジャンルとして成立しているのでしょう。
韓国語だからこそ生み出せる音の運びが、日本や世界の人々にとっても新しい音楽・最先端の音楽と感じる要因の1つだと思います。
IZONEの楽曲の中では『COLORIZ』の『colors(美しい色)』や『HEART*IZ』の『Hey.Bea.Like it(ひまわり)』の楽曲制作チームの生み出す音の運びがとても新鮮です。
もちろん、タイトル曲の『La Vie en Rose』と『Violeta』の音の運びはダンスパフォーマンスとマッチしていて、メンバーの表現力と歌声により『IZ*ONE』というイメージを強く印象付けています。
言葉の壁を越えるメロディーライン
『La Vie en Rose』や『Violeta』には、日本の楽曲では当たり前に存在する『サビ』の歌が存在しません。
その為に自然とメロディーラインが耳に残り、楽曲の奏でる“音”に注目することになります。
そしてそこに登場するのはラップパートも特徴的です。
サビの歌が存在しないことで『楽曲の展開』やそれぞれのパートが同じくらい主張し合って、メロディーに新鮮さを与え続けます。
また、サビはダンスパフォーマンスの見せ場ともなり、楽曲と一体化したダンスは目と耳を同時に魅了してくれます。
ダンスに力を入れている韓国ならではの曲作りです。
言葉がメロディーになっていないことで、音として楽曲を受け入れることができるK-POPは、言葉の壁を超えて愛される楽曲を生み出せるのだと思います。
『La Vie en Rose』と『Violeta』の楽曲の構成は、実は日本人でも受け入れやすいような構成になっています。
今、韓国で流行っている楽曲は日本で馴染みのある『Aメロ・Bメロ・サビ』といった区別がつけづらく、日本の楽曲とかけ離れすぎている新しい音楽なのですが、『La Vie en Rose』と『Violeta』はK-POPの魅力を最大限にいかしながらも、パート分けがわかりやすくなっています。
同じ楽曲制作チームが手がけているだけあって、曲作りが前作と今回では『共通点』を残しつつ違った角度から曲の色を生み出しています。
『La Vie en Rose』は曲の終盤に『テンポダウン』することによって曲にメリハリをつけているのに対して、『Violeta』は『テンポアップ』することにより曲に盛り上がりを作っています。
まるで『起承転結』のある物語を作っているような楽曲構成に感じます。
物語のどこに山場を持ってくるのか、どこでキーワードを入れ込むのか、入念に試行錯誤された楽曲作りをしているのが伝わってきます。
『音の運び』『メロディー』が人の心に響き、その楽曲を力強い印象的なダンスパフォーマンスで表現しているからこそ、言葉がわからなくても『楽曲』の中に込められた『テーマ』や『想い』、『エネルギー』が国境を越えて伝わっているのだと思います。
日本でのIZ*ONE**
日本では渋谷での大々的なイベントに加えて、雑誌でのPR活動も積極的に行われていました。
今の日本の音楽というのは、高い音楽性や最先端のダンス力よりも『自分も真似できるレベルの歌とダンス』の方が受け入れられているように感じます。
テレビ番組を見ても韓国の『覆面歌王』のように『誰が歌っているか』よりも『歌』の上手さが主体となっているものではなく、『誰が歌っているか』が重要な日本では、歌番組のカメラワークも『顔のアップ』が多い印象です。
アイドル文化が根付いている日本では、歌やダンスよりも『人間性』の方が重要であると感じます。
その人自身を応援しているから、歌やダンスのレベルがなくても『頑張っている姿』こそが、『求めている姿』なのです。
AKBグループが登場するまでは『円盤が売れない時代』とまで言われていましたが、『アイドル』自身が求められるようになったことにより、握手会やイベントに参加するためにCDを買う人が生まれて、この流れが変わったのも事実です。
韓国では『高いレベルの歌とダンスを披露する姿』が求められますが、日本では『頑張っている姿から見える人間性』の方が重視されている為、同じ『アイドル』と呼ばれていてもこれだけの違いが出でいるのです。
カラオケ文化
日本の音楽業界では『カラオケ』文化にも注目しなければなりません。
『カラオケ』でランキングを競うテレビ番組まで生まれて、高い視聴率をとっている日本では、音楽に強い関心のない一般的な人々にとっては『歌いやすい覚えやすい歌』と『真似しやすいダンス』の方が受け入れられています。
歌詞の考察が面白い
日本語の感情を表現する言葉というのは他の言語に比べて多種多様です。
その為に歌詞にはいろんな意味やメッセージが込められていて、『歌詞』によって独自性を生み出し心を惹きつける魅力を持った歌がたくさんあります。
私が考察していて楽しいのは『歌詞の考察』なので、日本の楽曲を考察するのはとても面白いです。
声を音として編集する
日本では『ボーカロイド』や『テクノポップ』といった音楽編集も人気を集めています。
一言でJ-POPといっても、日本には韓国のような統一性はなく様々なジャンルが存在していて、それぞれの方向に進化を遂げているので、どのジャンルを指して『J-POP』とするのかは難しいと感じています。
しかし、声を鍵盤の音に変えてメロディーを生み出す手法は日本が生み出した文化ではないかと思います。
その為に、レコーディングした『声』にエフェクトをかけたり、MIXを加えたりすることで新しい音を生み出しているのです。
また、複数のメンバーの声を掛け合わせて『和音』のように表現するのも日本ならではだと思います。
これに関しては歌唱力の高いメンバーの『声』を聞きたい韓国では、受け入れにくいのではないかと思いますが、ずっと聴いていると『クセになってくる』のが日本の生み出す音楽なのです。
和音が生み出す音の調和を心地よいと感じるのは、日本人ならではの音楽が生み出した心に響く音です。
グローバルアイドルIZ*ONE**
韓国でのIZONEと日本でのIZONEはそれぞれの国でもっとも適した形でデビューしたと言って良いと思います。
韓国でのカムバでは、デビュー時のイメージを守りつつ更に磨きのかかったパフォーマンスを披露しました。
そして、よりWIZ*ONEとの距離を近く共に歩んでいこうという団結力を生み出せたと思います。
日本デビューでは、IZONEの『人間性』が伝わるように多くの雑誌にインタビューと、『IZONEの姿』をたくさんの人に見て覚えてもらう為に写真が掲載されました。
また、生まれ変わり再スタートをする『渋谷』でのジャケット撮影から、『ここからスタートする』という意思が伝わるデビューシングルになったと思います。
日本デビューでは秋元康先生がプロディースしているため、まさにIZ*ONE×日本の音楽が何を生み出すのかを見たかったのではないかと思います。
K-POPのように統一性のある音楽ではない、J-POPの様々なジャンルの音楽をIZ*ONEとかえ合わせた時、どんな楽曲が生まれるのか楽しむのも良いと思います。
日本の音楽業界に新たに『IZ*ONE』というジャンルが生まれることを楽しみにしています。
そして、各国の音楽を取り入れながらグローバルアイドルの階段をのぼっていって欲しいです。
**mint**
個人的な見解ですので、ぜひいろんな方の意見も知りたいです✩︎⡱
また、いろんな意見があって良いとも思っています。
聴いた人がどう感じるか、どう受けとるか、1つの答えしかない音楽よりも、数多くの答えが出せる音楽の方が魅力的だと思うのです。
この記事を読んでくださりありがとうございました(。•ㅅ•。)♡︎